日本人の4人にひとりは腰痛経験者
4人家族なら1人は腰痛もちという計算になります。
メタボや高血圧などに並ぶ現代の生活習慣病ともいわれ、環境や文化の変化によって増えました。
腰痛の症状の現れ方
ここでは代表的な腰痛の症状をいくつか挙げます。
- 痛みで前にかがめない
- 痛みで腰が伸びない
- 寝返りが打てない
- 長時間同じ姿勢をしていると痛くなる
- 立ち上がるとき、起き上がるときに痛い
- お尻や足のほうまで痛みがでる
- 常に重く、鈍い痛みがある
腰痛のタイプ
腰痛のタイプは大きく4つに大別されます。
筋筋膜性腰痛
もっとも多く、筋肉あるいはその周囲にある筋膜やほかの軟部組織の異常によって痛みが起こるケースです。
慢性化したものでは痛みの範囲は漠然としたものが多く、入浴などの温熱によって症状が軽くなる傾向があります。急性の炎症期には激しい痛みを呈し、腫れや熱を伴うものもあります。
椎間関節性腰痛
上の脊椎と下の脊椎をつなぐ左右の関節に障害を起こすものです。
痛みの範囲は局所的であることが多く、強い炎症があった場合は腫れなどによって一時的に神経の圧迫を起こして神経症状が出る場合があります。
椎間関節に機械的刺激が加わる、腰を伸ばす動作やねじる動作で痛みを誘発しやすい傾向があります。
仙腸関節性腰痛
骨盤の後方に左右ある、仙骨と腸骨をつないでいる関節での障害です。
痛みは局所的に感じられる場合が多く、仙腸関節は足からの衝撃を緩衝する働きがあるため、体重をかけると痛みが出ます。
骨盤のゆがみによってストレスを受けやすい関節であるため、骨盤の形態的特性から妊娠、出産を経験した女性が比較的かかりやすいものです。
椎間板性腰痛
椎間板ヘルニアも広義でこの中に含まれます。
上と下の椎骨の間に介在する軟骨の障害で、ぎっくり腰のような大きな衝撃が加わった場合は、椎間板の構造が破綻してしまう事もあります。
椎間板の構造は、周囲を覆う線維輪と中心部にある髄核という組織からなっており、椎間板ヘルニアは髄核が線維輪から外方へ飛び出してしまった状態を主に指します。
椎間板は加齢などによって徐々に変性し潰れていくことも多いですが、必ずしも腰痛と椎間板の変性やヘルニアは関係するわけではありません。
椎間板自体は痛覚がないので、ヘルニアがあるだけで腰痛になるとは限りません。
腰痛の全くない人でもMRIでヘルニアが見つかることがよくあるため、腰痛で問題なのはどこに障害があるかより、どうして腰に痛みが感じられるのかを正しく知ることです。
古い腰痛の治療法、改善法
- 安静・固定
- 牽引、シップ
- 電気治療、腰へのマッサージ
- 痛み止めの注射やシップ、飲み薬(慢性のもの)
昔は固定や安静が第一選択でした。
主にシップとコルセット、さらし固定が施されたり、痛みのある場所に電気治療や温熱療法をしたり、腰の牽引治療が一般的でした。
外科的には神経に麻酔薬を注射して痛みを感じにくくさせたり、ヘルニアでは手術が選択されていました。
腰の電気治療やマッサージをすると一時的な軽さを得られるが根本的には治っていません。
最新の腰痛治療
- 安静にしすぎない
- 外科的治療よりも保存療法が優先
- 心身両面の原因を改善する
今は手術などはなるべくしない保存療法が主流で、早期回復のためにもできるだけ装具に頼らず動かしながらの治療になります。
高齢者は活動量が少し落ちただけで寝たきりに直結するからです。
コルセットなどは長期に及ぶと動きの制限や筋力低下を起こし、治癒を遅らせるためできるだけ使いません。
整形外科や整骨院で使用されている牽引は、他の健康な組織までストレスをかけてしまったり、ストレッチングは一時的にしかならないため現在は効果がないとされています。
ヘルニアの手術は術後のリスクのほうが大きく、手術でも改善しない例が存在することが分かってきたことと、痛みと関係なくヘルニアは見つかるため腰痛との因果関係に疑問が上がってきています。
腰以外のもっと広範囲に目を向けたアプローチが。このように考え方が変化したので、腰痛を根本的に改善できた例も徐々に増えて腰痛の概念が変わりつつあります。
腰痛は85%以上が原因不明。ストレス性の腰痛とは
実は腰痛患者の85%以上が検査をしても異常がなく、何をしても症状の改善がみられず何年も腰痛を抱えています。
その85%に多く含まれるのがストレス性の腰痛です。
なぜストレスが腰の痛みに結果として現れるのか、西洋医学的にはその部分の問題を探しますが腰痛ははっきりしていないという事です。
しかし東洋医学や別の視点から腰痛をみると、心とからだのつながりは切り離せないことが分かります。
腰に現れやすい心理的背景
- 怒りやフラストレーションのストレス
- 経済的ストレス
- 人間関係の恐れ、怒り
- パーソナリティに関すること
- 性的なテーマ
病院での腰痛治療
病院ではまず検査を行います。
腰痛はありふれた症状ですが、潜んでいる重大な病気がないかを鑑別する必要があるからです。
まれに腫瘍が見つかることがあります。
異常がないとクスリやシップ、コルセットや生活指導が多く行われますが、対症療法のため終わりが見えません。
しばらく通院したけどやめて他の治療を探す人がほとんどです。
腰痛のセルフケア
腰痛体操や骨盤にいいクッションなど、モノに頼らなくても体はちゃんとケアできます。
もともとそういう自己治癒機能が備わっているからです。
まずは身体を動かす時間を日常の中に増やすこと。
リラックスと緊張のメリハリをつくること。
身体をつくる源である食事を意識すること。
ストレス源を自覚しているなら、そこから離れるか、自分の思考を変えること。
ゴルフを始めたら腰痛がよくなった、ジムに通うようになったら腰痛がなくなったという話はよくあります。自分で何か新しいことに取り組んでも心身の刺激になり、必ず身体は変化します。
施術に頼っていいのですが、自分でできる範囲は自分で取り組まなくては根本的には変わりません。
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執筆者
かとう治療室
流山市南流山で整体・鍼灸(女性鍼灸師)・内臓調整を中心に総合サポートをしています。ボディートーク、エムレス等。つくばエクスプレス/JR武蔵野線 南流山駅より徒歩6分。駐車場2台分あり。不定休・完全予約制。お問い合わせはLINEかフォームが便利です。お電話の場合は留守電にお名前とメッセージを残してくださると折り返しご連絡いたします。