ずっと同じ状態が続くことはない

「何年もずっと同じ。変わらない…」

当院に相談に来て、そう話すクライアントさんは少なくない。
いろいろな治療を受けても、長い間同じ症状で悩んでいる人がいるのは事実。

だけれども、生きているうちは心臓の鼓動、血液の流動、呼吸…必ず動きの中にあるから、「同じ」ということはない。
生命体からすれば固定は「死」を意味し、生きているうちは動きの中で均衡を保っている。

生きているうち。つまり動きがあるうちは変化するから大丈夫。

 

クライアントが「どこに」注意を払っているかも重要で、「変化していない部分」から視野を広げるとカラダ全体のバランスの中にいるのが分かります。症状しか見えなかったところから、症状の外の世界に気が付けるように。施術者としても腕の見せ所である。

こうして抜け出せなかった「ずっと同じ、変わらない」状況から次第に抜け出せるようになります。

これには思考のクセも関わっていて、人間は快感と不快感を同時に感じることができない「機能」があり、厄介なことに不快感の方に目を向けやすいようにできている(防衛本能が働くのはこのおかげでもある)。

例えばある一日のこと。
行きたい場所へ車でお出かけし、おいしいモノを食べ、すてきな出会いあり、とても充実した一日を過ごした帰り、事故に遭ってしまったとしたら、その日の印象の大半は事故のことになるでしょう。

そして車に乗るたびに事故のことを思い出して運転に慎重になったり、似た状況で不安になります。
トラウマとも言いかえられるこの現象は、生存を守るための機能でもあるのです。

変化を嫌がるのも人間の機能。
これを生物学的に「ホメオスタシス(恒常性)」といい、血圧や体温、体液の安定があるから生命が維持されています。

逆に言えば、不安な状態や辛い状態もホメオスタシスによってロックされやすいということです。

よくなりたくても、どうよくなるのか身体は予測できませんね。
それならばわかっている今の状態でいたほうが安心できるのです。

長くこの状態が続くと、よくなることに抵抗が生まれたりします。
長期間なにをやっても変わらなかったと悩んでいる人はこのループから出られなくなっているかもしれません。

この状況は自分のせいで起きているのではなく、機能がそうさせている部分もあるのです。
不調が長期になっていればいるほどロックが強固になっている可能性があります。

このような状態で、思考だけ「治りたい」と思ってカラダの治療をしてもちぐはぐになってしまってうまくいかないのは当然で、改善するには治療の順番があります。

カラダの現状を正しく知り、期間をかけてロックをゆるめ、変化を肯定的、快感にフォーカスできるようにしていくと、カラダへの治療刺激による変化を受け入れられるようになります。

このメカニズムを知らないと、身体や症状だけの治療に囚われてしまい、一旦はよくなるのだけどまた元に戻ってしまったり、いろんな治療に頼ってみたけど全く変化を感じられない結果になってしまいます。

慢性的な症状を根本改善していくには、肉体への治療だけではなく、心理的な部分や脳機能的な部分まで視点をむけた広い範囲でのアプローチが必要になっていくので、単純な施術ではうまくいかないですし、クライアントが治療に依存的だと効果が現れないのです。

心療内科の薬では、薬の成分が脳を薬依存にロックしてしまう性質があるためで、多くの人が薬から抜けられなくて悩んでいます。
かといって全く抜けられないわけではないので、期間をかけて根気よく取り組みます。

辛いと早く結果を求めたくなりますが、釣り人のように「待つ」のも大切です。
身体はもともと自分の治し方を知っていますから、カラダに委ねる=待ってあげる=自分のカラダを信じる。です。

自分の心や自分自身を信じられるようになりたければ、まずは自分のカラダを信じること。
自分の一部であるカラダを信じられていないのに、自分自身を信じるのは難しいでしょう。

反対に、自分を信じるというのがこっぱずかしく感じるなら、(自分の)カラダを信じるほうがまだとっかかりやすいと思いませんか。

とにかく、変わらないと今は思っているかもしれませんが大丈夫。変わりますよ。

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