全身で呼吸する

呼吸は生きる基本

「呼吸」に関しては流派のごとく様々な行い方が出ていて「どれが正しくてどれが間違い」というのはありませんが、何かしらのストレスや不調を抱えている人はほぼ100%の確率で呼吸が浅いです。

ヨガでも他のワークでも呼吸が重視されるのは、呼吸が生きる基本になっているから。(息できなくなったら死にますよね)
治療でも呼吸は基本。どんなに身体のゆがみを取ったり何をしようとも、呼吸が改善されないとその効果は続きません。

そもそも、心身になにか異常を自覚する前にはすでに呼吸がおかしくなっているから、ルーティーン化した呼吸を本来の状態に戻すにはそれなりに期間がかかる。

身体感覚の弱い現代人は自覚症状に上るまで自分の呼吸の不調和に気が付かないうえに、「すぐに」治してもらおうとするのは、何年もかけて今のカラダをつくってきたのに都合が良すぎます。

呼吸は吐くのが先

私たちの生涯は「吐いて始まり、吸って終える」

生まれたばかりの赤ちゃんの「おぎゃー」という産声は息を吐いている。
一方で生涯を閉じることを「息を引き取る」と表現する。
その間、呼吸は何もなければ止まらない。
つまり、生命=呼吸=動きです。

動きは運動じゃなく呼吸にもあって、肺や横隔膜の動きだけでなく、全身の拡張と収縮と空気の出入り。

呼吸が浅くなっているときはこのポンプのような動きが小さくなる。
「息をのむ」「息をひそめる」…こんな時のカラダの状態は小さな動きすらも危ういような緊張のイメージだと思います。

呼吸は古い空気と新しい空気の交換(ガス交換)ですが、肺の中に古い空気が残っていると新しい空気を受け入れるスペースがなくなります。

なので呼吸はまず古い空気を外に排出するのが優先です。
しかし、身体が緊張状態にあると吸ったままロックしてしまうのです。

これは、横隔膜をコントロールする神経のつながりによるものです。
横隔神経は頚椎3~4番目から伸びている神経で、交感神経の影響を受けます。

交感神経とは緊張時に作動し、カラダに闘争ー逃走反応…筋肉は緊張が高まり首の筋肉、横隔膜も緊張(収縮)します。

横隔膜の収縮は「吸う」で、肺が膨らみます。通常はその後にリラックスが訪れて息を吐きだすことが出来るのですが、慢性的なストレスが続くと緊張したまま吐き出すことが出来なくなります。

やがて肺が古い空気でパンパンになっても吐き出せないのに、酸素濃度は低下してくるから呼吸したい。吸おうとすればするほど苦しくなる悪循環になってしまいます。

これの行き過ぎた状態が過呼吸で、吸いすぎによって起こります。

呼吸の動きは心臓の拍動と同じ

血液を隅々に送るポンプとなっている心臓。
そんな重要な役割があるわりには、カラダの大きさに対して小さいと思いませんか?

私たちのカラダは全身がポンプになって心臓の負担を軽減するようにできています。
それが横隔膜と全身の筋肉です。

カラダが適度なリラックス状態では、筋肉の柔軟性によってカラダ全体が風船のような収縮と拡張が起こり、カラダ全体が大きなひとつのポンプ(心臓)として働いて全身の巡りを整えてくれます。

ところが、ストレスで緊張状態のままロックされると巡りにも問題が出る。巡りが悪ければ冷えや内臓の調子など全身に影響するように、カラダの健康はあらゆる機能の連携によってなされています。

そのため、治療も部分的では根本解決しないのです。

もしも呼吸の浅いのを放置すれば、心臓のポンプにすべての巡りをゆだねることになり負担が大きくなって病気になるかもしれません。そのように心臓は最後まで守られるようにできているんですね。

カラダは神秘的です。

セルフケアの基本、全身使って呼吸しよう

吐くときは全身がしぼむイメージ

吐ききったら、全身を大きく膨らませるように吸い込む

ゆうこ先生が大好きなカエルのイラストで呼吸法を表現してくれました(笑)
自分自身が風船になったようなイメージで、まず古い空気を吐き出し、そして深く吸ってください。

寝る前にやると眠りにつきやすいです。
前傾姿勢になるとただでさえ呼吸がしにくくなるデスクワーカーの方は小休止ごとに行うのが効果的。集中しているときは呼吸が浅くなるので、深い呼吸は酸素は脳のパフォーマンス低下を予防できます。

腹式呼吸?胸式呼吸?

腹式呼吸は横隔膜の動き、胸式呼吸は肋間筋などの動きによって行われます。
リラックスが必要な方は横隔膜の呼吸を優先しますが、胸式呼吸も、胸郭の柔軟性を保つためには必要です。

女性は胸式呼吸が中心になっている人が多いので、腹式呼吸に慣れるためのトレーニングがいいでしょう。

横隔膜の動き、カラダの感覚を感じながらやってみてください。

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