当院のカウンセリングの中でも訴えが多い「のどが詰まる」症状。
西洋医学的には
- 逆流性食道炎
- ストレス
- ホルモンバランス(ヒステリー球とも呼ばれるため)
などの症状の一部として考えられることが多く、最終的には咽頭喉頭異常症(原因がはっきりしない喉の不快感)という名前がついています。
逆流性食道炎なら胃酸を抑える薬、消化を助ける薬が一般的で、漢方では半夏厚朴湯が有名です。
ですが見方を東洋医学的に変えると、「のどが詰まる」要因が見えてきます。
- 気滞(気が滞る)
- 気逆(気が逆流している)
- 気鬱化火(気がこもって発散できず体内で火や熱に変わる)
陰陽でみると陰は下降、陽は上昇のエネルギー。気逆とは、陰(下降のエネルギー)が不足しているか、陽(上昇のエネルギー)が過剰なのかと考えることもできます。
医療に気の話を持ち込むと途端に怪しむ方もいますが…
通常、食べたものは口から入り肛門から出ます。つまり上から下へ降りていきます。
この流れを肉体的に行っているのは消化器官を構成する筋肉などです。
気は目に見えないですが、物を動かす動力源です。気が流れている所(=生命のあるところ)に血液や水が流れます。
気の流れる道を「経絡(けいらく)」といい、肉体では筋膜がそれとほぼ同じ走行をたどっていることから、筋膜が整うと経絡も整います。
気はモノだけでなくコトを動かす源でもあります。やる気や勇気が出ないと物事は動き出しませんし、動き続けるためには根気がいりますね。
つまり元気でいる(バランスの取れた生き方をする)ことが人生でどれだけ大切か…!です。
話を戻して、のどの詰まりとは東洋医学的には梅核気(ばいかくき)といい、まるで梅の種がのどにいる感じと表現されます。
現代だと飴玉を飲みこんでしまった時のような感じでしょうか。
気滞や気逆、気鬱化火などの理由で、本当は下に降りるべきものが降りにくくなっているので、食べたものが長時間胃に残っている感じや吐き気、膨満感などを同時に感じるかもしれません。
気逆の最たるものがげっぷや嘔吐です。(それを行うことでバランスをとっている)
イライラなどの感情的問題も気の流れの影響を受けています。
陰陽のバランスに影響力を持つ分かりやすいのが臓器の働きです。
梅核気と関連深いのが肝(臓)の影響。
厳密には肝臓と肝は意味合いが違うのですが、ここでは一緒ととらえます。
と、肝臓の仕事量はとても多く複雑で、近年はストレスでお酒を飲まないのに脂肪肝になる人が増えています。若年化もしています。
のどの詰まりの一因であるストレス。そのストレスは肝臓の力が落ちているからかもしれないし、許容量を超えるストレスがかかっているからかもしれません。
または、長時間デスクワークの丸まった姿勢が内臓を圧迫して働きを弱めているのかもしれません。
逆流性食道炎は食べてすぐ寝ることや、喫煙の飲酒が原因と考えられていますが、気逆が影響しているという発想もできます。
胃酸を抑える薬や消化を助ける薬は気逆を改善しないので、薬で思うような結果が出ない時、気逆を解消すればいいのかもしれません。
ひとえにのどの詰まりといっても、西洋医学的には逆流性食道炎、ストレス、咽頭喉頭異常症という病名とその対処療法で終わってしまうかもしれません。
ですが東洋医学の視点では、のどの詰まりから、気の状態、臓器の働き、陰陽のバランスというような様々な角度か根本的な問題に到達しやすく、西洋医学で置き去りになってしまう部分を補います。
AだからB。と、一筋縄ではいかない身体の仕組みだからこそ、いろんな見方ができると治療の選択肢と可能性が広がります。
ぜひ、自分の身体に何が起きているのか興味を持って、身体の力を高めることも忘れないでくださいね。
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執筆者
かとう治療室
流山市南流山で整体・鍼灸(女性鍼灸師)・内臓調整を中心に総合サポートをしています。ボディートーク、エムレス等。つくばエクスプレス/JR武蔵野線 南流山駅より徒歩6分。駐車場2台分あり。不定休・完全予約制。お問い合わせはLINEかフォームが便利です。お電話の場合は留守電にお名前とメッセージを残してくださると折り返しご連絡いたします。