風邪は通り過ぎるもの=しっかり経過させよう
風邪を引くこと、現れる症状にたいして私たちは「悪いこと・いけないこと」と教育されてきた。
冷えると風邪を引く、季節の変わり目は風邪を引きやすい、細菌やウイルスに感染すると風邪を引く、風邪はうつる…など。
この本ではそういった固定概念を覆して独自の見解と対処法を野口整体の理論に基づいて書いてある。また、色んな病気の中で風邪は難しいものだという。その理由はここでは詳しく書かないけど、本を読めば「なるほど」と思える。機会があれば読んでみてください。
風邪を引けない・引きすぎる現代人
すべてはバランスだなぁ~と改めて思う。風邪を引いたことがなくて丈夫だと思っていた人が急性の病に倒れたり、命を落としたりする人。
反対に、しょっちゅう風邪を引いてしまう、長引く、引いた後もスッキリしないで慢性的に元気が出ない人。
このような二極の人が多いように思うが、風邪は引いた方がいい。なぜなら新しい自分にリニューアルさせたり、身体をリセットさせる働きがあるから。現代推奨されている風邪の時の過ごし方はそれとはほぼ正反対の結果が出るような指導になっている。
この本に書かれていることが100%正しいのではないが、私たちは自然とともに暮らしていくのを思い出し、病気や症状に対する見方の偏りを見なおすべきタイミングが来ていると思う。
経過させることとは?
風邪の発症から、回復までを自然の力に従って最適に通過させるということで、症状を基本的には抑えない。なので今使われている○○止めや解熱剤は最適な通過を妨げるものだ。
入浴の考え方も、熱があるときは風呂に入ってはいけないと教わってきた私たちには衝撃かもしれないが、熱や風邪をスムーズに通過させるという観点では理にかなっている。
風邪=フウジャ=台風や嵐のように通り過ぎて、破壊と再生を起こす
色んな病名がある中、風邪だけは「ひく」という言葉を使う。英語ではCatch a cold.(つかむ)と表現する。
自然の摂理に従えば災害はいつか過ぎて破壊された後は必ず再生する。命も生まれれば必ずいつか死を迎える。そのサイクルを繰り返して今に至るが、その間にもよりよい遺伝子やよりよい環境に再整備されるまえには破壊が伴う。
宇宙や地球上でも生命体でもそれは同じ。
現代の私たちは病気は排除する、負けてはいけないと教わってきた。しかし戦うほどし自然に逆らい負けてしまうことがある。押してダメなら引いてみようの精神で、あえて逆らわないで通過させる、自然に任せることができればガンや色んな病気とのかかわり方が変わるかもしれない。
現代西洋医学がダメなのではなくて、不調をなんでも身体から排除しようとしたり、早くなんとかさせるのが絶対にいい事だとしてしまう私たちの思考の偏りを気付かせてくれる1冊でした。