このページは、施術者(加藤なおき)が、2013年頃から約5年間悩んだ自律神経失調の症状とパニックについての体験記です。
誰かの役に立つことがありますように・・・

当時の私の状況

2008年から会社員として整骨院に勤めていました。働き始めて4年経ち、仕事はほぼ何でもできる職場の中ではベテランとなり後輩を指導する立場にもなっていました。

当時の整骨院は地域でも評判が良く、平均1日100人は超えるような状況で、患者さんは年々増え続けていました。
一人当たりの患者さんにかける時間は10~15分、一日一人で30人以上対応するような日もあり、次から次へととにかくいつも忙しかった。

整骨院業界ではよくあることですが、休憩時間は余裕があれば横になる時間もありますが、午前中の診療が長引くと短くなり、たいていフルでとれる日は少ないです。
夜もカルテの記録で遅くなることもあり、時間に追われるような生活をしていました。

週休2日制だけど連休はお盆と年末年始ぐらい。
ひとり暮らしは満喫していて、休みの日はもったいない時間の過ごし方をしたくないと、朝早く起きて家事を済ませて出かけることが多かったです。結構きっちりしている暮らしでした。

自宅にいる時はお酒。お酒が好きなので毎晩飲み、次第に酒量もたばこも増えていたなぁと思います。
お腹の調子も便が緩めでしたが、それでお腹が痛くなるわけではないし困ってませんでした。

仕事のストレス

時間に追われていたことの他には同僚とのモチベーションの違い。
正義感の強すぎた私は、いい意味でも手を抜くことができず、目の前の患者さんに喜んでもらうにはちゃんとやらなければ…と思っていました。

逆に嫌われたくないというのがあったんだと思います。
そして手を抜く同僚に腹を立てていたのです。

寝ても覚めても休日も頭の中は仕事。それを紛らすかのように深酒をして寝ることが多くなっていきました。
夜中に何度も目が覚めるので睡眠の質も悪くなり、今思うとアルコール依存の一歩手前。

今でも忘れないのは、ある年の年末年始休暇に入った時の夢。
私は整骨院にいて、休日のはずなのに大量の患者さんがドアをこじ開けて入ってこようとするのを怒って止めようとするけど止められない夢です(笑)

発症

もともと人混みは苦手なのですが、電車に乗った時に呼吸が苦しく動悸もする、気を失いそうになるパニック発作を経験しました。

はじめは何が起きているのかわからないけど、とにかくここから出たい!早く出してくれ!という感じ。
駅間の2~3分がとても長く感じます。

ですが時間が経つとそれはスッと治まって、あれは何だったんだ…というぐらいその後は何もなく乗りつづけられます。
そのようなことが頻繁に起こるうちに、またなりそう。またなったら嫌だな。と思うようになり、電車に乗ることを避け始めます。

発作は一瞬なのに症状が強烈で、自分をコントロールできなくなる恐怖です。周囲の人に迷惑をかけたりしないか不安になって神経過敏になっていきました。

さらに身体がおかしくなり始める

毎日忙しいので空腹感を感じることが多くなり、バックヤードに行けばおやつが並んでいます。
それだけでは足りず、“マイお菓子”。甘いものもしょっぱいものもロッカーの中にストックしたり、コンビニでパンを余分に買っておいて合間に食べていました。

お腹に溜まるもの、節約でできるだけ安いものを選んでいたので、小麦粉と砂糖と油でできたものが大半です(笑)

夕方になると急に冷や汗をかいて気が遠くなる感じ、焦燥感や手の震えがおきる…これは低血糖か?と思い、さっとバックヤードに戻って食べると治まる。

そんな対処を続けていたら、ある日の朝ミーティング中から息苦しさと動悸、手足のしびれで普通にしていられなくなりました。
空いているベッドで治まるまで休んでいましたが、私が寝ているカーテン越しに私を待っている患者さんがいます。

さすがに同僚も心配していました。

これはおかしいと自覚する

普段も、汗のかきかたがおかしいことに気が付きました。
気温が高くも何でもない時に急に体が熱くなって汗が噴き出たり、寝汗をかくように。

暑いのかと思えば、今度は背筋がぞくぞくするほど寒さを感じたり。体温調節が下手になった?

身体が痛い、こってつらいというのはなかったのですが、この時すでにいろいろなサインを出していたのです。

ストレスかなぁと、転職

ネットで症状を探すと、自律神経やパニック障害のことが出てきます。
結局その背景にはストレスがあるので、ストレスが減らない限り治るのは難しいから、発作を和らげる薬や安定剤の処方しか情報がありませんでした。

何にストレスを感じているのかは自覚していたし、ちょうど経験値を上げるために転職を考えていたので、環境が変わったら何か変わるかもしれないと期待を込めて転職することにしました。

転職先は電車通勤でしたが、2駅ぐらいなら我慢できると踏んで、気持ち新たにスタートします。

入社した整骨院は都内にもグループを抱える前より規模の大きい会社でした。
そこで時々都内に出て社員が集まり勉強会をすると知り、電車が嫌な私は不安が大きくなります…

撃沈

はじめて参加した社内ミーティング。

十数人が一つの空間に集まり、真面目に話し合いをするということに慣れていなかったのと、入社したての緊張感、初めてのこと続き、神経をすり減らしながら電車に乗ってきたという疲労が重なってしまい、会食では食べ物が一切喉を通らず、その後のミーティング中に気分が悪くなってしまってベッドに寝てしまいました。

入社早々心配をかけ、本当に恥ずかしく情けない思い出です。

そうなったのも私が入社前に体調があまりよくないことを誰にも言わないでいたからですが、
当時の私はそんなの「メンタルが弱いです」って言っているよう気がして恥ずかしくて言えたもんじゃなかったのです。

幸いにも優しい方々に恵まれ、それからの働き方もサポートしてもらいながら過ごしていましたが、自分に対する自信はすっかりなくなってしまっていました。

変わりたいなら、何かしなければ!

ここでこの会社の先輩だったゆうこ先生の登場です。
それからも不調をやり過ごしていたのですが、自律神経に関してはゆうこ先生が詳しかったのと、薬を飲んでも根本は変わらないしやめられなくなるよと教えてくれました。

サプリメントを試したことがあるのですが、ちょっと楽になるかもとは思っても根本的な不安は変わりません。

ゆうこ先生がボディートークの勉強会に参加して、受けてみないか?と勧めてきます。
話を聞いても怪しいとしか思えないし、断ってそのままでいることもできました。

でも、もう何とかしたかった…わらを掴む気持ちで受けることにしました。

ボディートークに驚く

自律神経とパニックのつながりには気が付いてましたが、どうしたらいいかまではわかっていませんでした。

はじめてのセッションの説明で、自分の身体に起きていることと意外なストレスの理由が分かりました。
情報が分かったら、あとは身体をタッピングされるだけです。

たったそれだけですが…呼吸も深くなり、落ち着いて電車に乗って帰った。
何が起きてそうなったのかは全く理解できませんでした。
ただ、何とも説明できない安心感を感じていました。

数回のセッションで悩んでいた日常生活での支障がほぼなくなって、病院もクスリも使わずに改善しました。
この体験は私にとって衝撃でした。

その頃は他に改善しようとして取り組んでいたことはありませんでしたが、身体の不思議さというか、施術歴があっても知らないことがまだまだたくさんあるなと思いました。

その後

そのあとで私自身がボディートークを学ぶようになり、原理や自分がどうしてそうなったかがよくわかりました。
ストレートに言えば生き方のバランスを崩していたし、変えられないことを変えようとこだわるストレスが生きずらくしていたこと。

それから、その場しのぎを繰り返してこじらせたこと。

ほかの勉強も通じて、さらに身体は楽になったし、一言でいえば「生きるのが楽になった」

自分が苦しんだ問題は自分自身でつくりだしてしまっていることが多い。
耳に入れにくいかもしれませんが事実です。

ですが、自分でつくったものだから自分で変えられる。
かといって自分が悪い弱いと攻める必要はなく、これから変えればいいし、全部が全部でもないのです。

私たちはつながっています。遺伝子は家系に、皮膚は空気とつながっているように、自分の周りの環境にも原因はあります。
このような原因はボディートークで調整できますし、ボディートークが完璧でもありません。

よくなるなら何でもいいと思うんです。
ただ、原因は身体にも心にもそれ以外にも、複合的だから、クスリで特定の症状を抑えようと思ってもうまくいかなかったり、色々な症状が結果として出ているので、つながりを紐解いて解放されるんだと思いました。

 

食事や習慣も偏りすぎていないか意識するようになりました。

菓子パン、お菓子の食べ過ぎは血糖値のアップダウンを助長し、血糖値の上下と自律神経の切り替わりは影響し合います。
あの、空腹感や低血糖はそもそも食事の習慣がよくなかったし、それを修正するどころかどんどん負のループになっていました。

ストレス解消のための深酒もよくなかったですね。
心のスキマはお酒では埋まらない。今でもお酒は好きなので飲みますが、食事に合わせて一緒に楽しむものに変わりました。

ストレスは自分の心の視点を広げること。他人を変えようとしないこと。

もし病院でクスリをもらって飲んでいたら、今度はクスリがなくなる不安や効かなくなる不安から新たなストレスを作り出していたと思います。

そんな体験をして、健康は生き方に通じるし、改めて自分の身体は自分にしか治せないと思うのです。

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