給食の記憶は大人になっても残る
今でも給食を食べきるまで残されるという経験にストレスを感じている子どもがいます。
このようなストレスが大人になった時に、緊張のしやすさ、会食恐怖症や対人恐怖症に結びついていることがあります。
もう遠い過去の話なのに不思議かもしれませんが、身体の細胞はすべてを記録しており、脳が危険・ストレスだと判断した似たような状況になると身体が自分を守るために予測する仕組みが働いて交感神経の過剰反応を引き起こします。
これが大人になってからの食事に関するストレスです。
子供が感じるストレスは大人が些細だと思うようなことで起こります。
例えば赤ちゃんなら、お母さんがいない、お腹がすいた、おむつが汚れていて気持ちが悪い。
これはすべて赤ちゃんにとって生存の危機を表すからです。
ハイストレスがかかった時に、身体の細胞はその時の情報をすべて潜在意識に保存します。
今後同じ状況から身を守れるようにするために、似たような状況で素早く反応できるように。
給食が食べられなくて怒られたり苦しい思いをした子供のころのストレスは大人になっても深いところで影響してしまうものです。
給食を全部食べなければいけないストレス
特に低学年は、4月生まれと三月生まれの子では成長がかなり違います。
食事の量も消化の力も同じではありません。
体調によって食べられる時と食べられないときもあります。
大人は自分の調子に合わせて食べるものも量も決めることができますが、学校給食ではそうもいきません。
体調が悪いといえず無理して食べて吐いてしまったり、先生がそのことに気が付かないで無理に食べさせようとしてしまうこともあります。
そうすると給食の時間にプレッシャーを感じて、それがだんだんと学校に行くこと自体が重圧になってしまいます。
学校給食を作る方のお話
残さず食べてほしいというのは、おいしく食べてほしいということ。
無理に食べさせられて給食が嫌になってしまう方が悲しいそうです。
確かに食べ残しが廃棄されてしまうのはもったいないですし、食べたくても食べられない人のことを考えると申し訳ない気持ちになりますが、子どもに変な罪悪感を植え付けず、おいしく食べられたことに感謝すればいいのではないでしょうか?
給食という制度上、同じものを提供せざるを得ませんし、量が足りないと困ります。
廃棄が問題なら各家庭でお弁当を持参させればいいですが、それはそれで賛否の意見が出るでしょう。
学校給食は現状で最善を尽くしている制度だと私は思います。
給食の記憶と会食恐怖、嘔吐恐怖
私は、小学校1年生ぐらいのときに隣の子が吐いてしまったのがショックでしばらく食欲がなくなったことがあります。
それまでは普通に食事ができていたのですが、同じように食べられないで昼休みや掃除の時間まで片づけられず残されている子がほかにも数名いました。
ここでも吐いてしまう子がいたりして、私はだんだんと吐くことが怖くて食べるのが怖くなっていきました。
それまでは好き嫌いもないし食事のストレスは全くなかったのに。
小学校2年生ぐらいまでそのような状況が続き、学校に行くのも「給食の時間が嫌で」不登校になった時期があります(給食が嫌だと正直に話すまで時間がかかりました)。
成長とともにいつの間にかそのことを忘れて食べられるようになりましたが、大人になって会食の時に突然同じ症状が出るようになりました。
大人になると食事は残さないのがなんとなくマナーです。
食べて具合が悪くなったらどうしようという謎の不安と、残したら申し訳ないと思うとプレッシャーになってしまってますます食べられなくなりました。
食事の誘いは断るようになりましたが不思議と飲み会のような場は平気です。
誰が残したかわからない、大皿料理なら自分の食べられる量を決められるので都合がよかったからです。
ですが、仕事上でも交友関係でも食事はつきものなのでとても困りました。
ボディートークやエムレスを受けて改善されましたが時間がかかりました。
自分自身も身体と心の仕組みを勉強して、この時に小学校のころの経験と今の問題が結びついていたことを知ったのです。
過去は変えられませんが、今の子どもには大人になってからつらい思いをしてほしくないので教育の制度も新しくなっていくといいなぁと思っています。
もし、今会食恐怖や嘔吐恐怖に悩んでいて解決したいと思っている方にお役に立てることがあるかもしれません。
エムレスによって望ましくない脳の予測システムを壊し、ストレスのある状況に対して身体が反応しなくなったら食事が今よりも楽しめるようになります。大人も子どももご相談ください。