大人の生きずらさとストレスの関係

子どもの健康問題の原因のひとつに、親の問題があります。
そういわれると、なんだか自分が悪いと責められているような気がして嫌な気分になりますよね。

でもよかったら最後まで読んでみてください。

「毒親」という概念が知られてきたのはここ10数年。
わたしはこの言葉があまり好きではありません。

認知されている言葉なので便宜上使いますが、親を責めるつもりで表現しているのではなく、大人もかつては子どもだったことを思い出してほしいんです。

実は大人が抱える生きずらさに気が付き、自分を先に楽にしてあげることでことで子どもも楽になっていくのを施術者としてかかわっていく中で何度も体験しています。

毒親から育った人の傾向

  • 自分を大切にできない。
  • 人や物、行為に依存しやすい。
  • つい人の顔色を伺ってしまう。
  • 楽しんでいる自分に罪悪感を覚える。
  • 指示待ち族で、自発的に行動できない。
  • 周囲の期待に応えようとして、無理をしがち。
  • 言いたいことややりたいことがあっても我慢してしまう。

とはいえこのポイントが全部一致していても、必ずしも毒親とは限りません。

ただ、育った家庭環境、、、親から受けてきた文化や教育は大人になっても大きな影響力を持っています。

自分で決められない、素直に感情表現できない、抑圧のクセは子供の時に無意識にそうせざるを得ない家庭環境があったからかもしれません。
大人になっても自分の中にいる親に見張られているような感覚です。

毒親というラベルを貼って親を責めている人もいます。
回復のステップとして必要だったり生き方なので自由ですが、それで自分が楽になるわけでもないし、何も解決しないことにどこかのタイミングで気が付きます。

他人や過去は変えられないから自分が先に変わる方が早く楽になりますし、水の波紋のようにそれは必ず子どもや家族にもいい影響を与えます。

連鎖を終わりにする役割

毒親に限らず、虐待や離婚なども親や先代からの連鎖が起きていることがよくあります。
実は親も似たような育ちをしていたなんてことはありませんか?

例えば親から虐待を受けてきた人が自分の子どもにも同じことをしてしまうのはよく知られた話です。

理由は、親もその親から育ってきたからです。

このままでは子どもも同じパターンを繰り返してしまうかもしれない…
きっとこのページを読んでくださっている方は、そうではなく子どもには幸せになってほしいと願っていると思います。

毒親という概念が生まれた今の環境と、今、自分の生きずらさや子どもの問題に向き合っているあなたには、この負の連鎖を終わりにする役目とチャンスがあります。

毒親がやりがちなこと

①過保護・過干渉
②放置・無関心
③支配・管理
④虐待

子どものことでご相談に来る方の大半は①と③に当てはまります。

自分が毒親かもしれない…と思っても自分を責めないでください。
あなたも毒親から育ち、パターンを引き継いでしまっている可能性があるからです。

それはあなたが素直だからですし、子どもも同じように素直に反応しているだけです。
今と違う状況にしていきたいならその素直さを違う方向に使っていってほしいのです。

遺伝子には情報も含まれている

ガン家系や遺伝病が遺伝子によるものですが、遺伝子には身体を構成する情報だけでなく親や祖先の情報も記録されています。

どんな経験をして、どんな感情や信念を持っているか。身体の部位の強さや弱さなど。すべてです。

野生の動物が子育てを教わっていないのに赤ちゃんを産み育てられるのも、卵から生まれた生き物が自立して生きられるのも、私たちがなぜ危険を恐れるのかも遺伝子にその情報が刻まれているから。

遺伝子は100%のうち変わらない部分はおよそ20%しかありません。
残りの80%は環境やどのような人生を送るかで変化します。

あなたが変わること子どもも変わるのは遺伝子も同じです。

親のストレスが子どもの健康に与える影響

先ほどと同じ「毒親育ちの人の傾向」リストです。

  • 自分を大切にできない。
  • 人や物、行為に依存しやすい。
  • つい人の顔色を伺ってしまう。
  • 楽しんでいる自分に罪悪感を覚える。
  • 指示待ち族で、自発的に行動できない。
  • 周囲の期待に応えようとして、無理をしがち。
  • 言いたいことややりたいことがあっても我慢してしまう。

このような「生きずらさ」を抱えていると、ストレスを感じやすくリラックスできません。

子どもはまだ自我が未熟なので良くも悪くも環境の影響を多大に受けます。
それから、子どもはまだ世界が狭いので家か、または学校ぐらいしか世界を持っていませんので学校がストレスの場になっても病気になりますし、家庭でも同じことが言えます。

家庭がリラックスしているかは、その家族のメンバーがリラックスできているかが重要になります。
つまり親がストレスをたくさん抱え込んでいないかです。

交感神経の過剰

空気感ってなんとなくわかると思います。
場の雰囲気や、隣の人がイライラしている様子などを第六感的に感じ取る力が私たちにはあり、純粋な子どものほうがその能力が高いです。

家庭がそのような環境だと子どもの自律神経にも影響を与えます。

大人のように眠れなくなるとか、胃腸の調子が…というように現れる場合もあれば、問題行動(落ち着きのなさ、癇癪、指しゃぶりや性器いじりなど多彩)で表現されることもしばしばあります。

自律神経はホルモンのバランスにも関わるため、発達の途中にあるまだ不安定な身体には大人以上の負荷がかかってしまうのです。

ただ、すべての症例に家庭環境がストレスになっているとは限らず、あくまで例を挙げているだけなのでご理解ください。

起立性調節障害との関連

起立性調節障害はいわば自律神経の乱れの結果ですので、上に書いたとおり環境による交感神経の過剰と神経系や内分泌系のエラーだと考えればつじつまが合います。

薬による対症療法の全部を否定するつもりはありませんが、薬がないと生活できないのなら治ったとは言えず、また、いつまで薬を飲み続けることになるのか先の見えない不安は解消されません。

そこでこのような発想も選択肢として考えてみてください。

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かとう治療室

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